「染、色」配信!感想・考察その②

「染、色」感想その② Aぇ! group

正門くん主演舞台「染、色」の感想の続きです。

【「染、色」配信!感想・考察その①】はこちら
 
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・真未との初共作に残した手形が上書きされる現場に居合わせた深馬。
犯人はなんと滝川先生。

びっくりする深馬に向けられる滝川先生の慟哭、叫び、野心、夢…。
苦しさめっちゃ伝わってきて、胸が締め付けられるわ。
なんか、人間の二面性を垣間見たって感じ。

・「意味なんか最初からないよ!」の滝川先生、というか岡田さんの凄みよ…。
そりゃ、深馬も打ちのめされるわ。

・実は滝川先生の協力者だった原田も、いろいろ抱えてんなあ。

・ここで一旦、深馬の絵を破壊したのが真未だと判明。
初見の時も、だろうなとは思ったけどさ。問い詰められても飄々としてる真未、末恐ろしいよな。
いたずらの仕返し…なんかそんな感じはしてた。

・深馬の中のオモテとウラがせめぎ合ってる感じ、ハラハラする。
周りの期待に押しつぶされてる深馬と、だからこそ絵をやめさせたい真未。
ここの熱量高いやり取り、クライマックス感あって最高だな。より引き込まれる。

・真未はさ、深馬の悪い部分?暗い部分?を一身に担ってくれてる存在なのかなあ。ちょっと怖いけども。

とはいえ、一応「君は何にでもなれる」って応援はしてくれてるのね。

・独りになった深馬の慟哭。真未を通じて自分の気持ちに向き合うことで生まれた苦しみがこちらの胸にも突き刺さる。
めちゃくちゃ苦しそう、正門くん凄いわ。

・考えた結果、ポリダクトリーは滝川先生の手柄にしちゃうのね。
諦めちゃったか…。

・ふと気がつくと病院。初見のときはちょっとびっくりしたなあ。

だって、まさか熱中症で1週間眠りこけてたとは夢にも思わないし。

まあでも、そうなってくるといろいろ話が変わってくるのよね。
ここからがこの作品の面白いところよ。

深馬がどのタイミングで倒れたのかによって、これまで観てきたものが夢か現か考える必要が出てきたわけで。

目覚めた後の会話で北見と深馬の「ごめん」が通じているということは、深馬の絵は実際に破壊されてて2人はギクシャクしちゃってたということでしょ?

んで、ポリダクトリーだと表明した滝川先生が大学をクビになっているのね。

だとすると、深馬が倒れたのは絵が壊された後真未といろいろ言い合う場面の前後ということになるよね。ここまでの状況だけで判断するとさ。

・深馬は退院後、作品を作らなくなった。完全に心ポキッと折れちゃってるじゃん。
杏奈と仲良くやってるのは微笑ましいし、表情も穏やかで一時の怖い顔を全然していないのは良いこと?

ただ、良くも悪くも真未が心に住み着いてる感じがするなぁ。なんか切ないぞ。

「どれだけ時間が経っても一度ついた染みは消えない」
深馬に染みついた真未という染みはこれから先消えることがないということか…。
真未の部屋の染みとも掛けてるのかしら?

・深馬、北見、原田の3人飲み会の場面。卒業式の帰りっぽいね。
ポリダクトリーの話題になってからの、ヒヤッとするような違和感が良いのよ。最後の畳みかけって感じで。

深馬が壁面に絵を描いていたのは去年の話で、しかもロランス朱里主催のイベントで頼まれてやっていたって話。
どうしたって真未がアルバイトで頼まれて壁に絵を描いてるって言ってたことを意識しちゃうよねぇ。

滝川先生も捕まってはいなくて画家になる夢を叶えるためにフランス留学したっていうし、深馬の絵を破壊してたのも真未じゃなくて深馬だったし。

あれあれあれ…?って謎に飲み込まれていく感じが、怖いけど心地よい。妙に頭も回転するし。

・ここから過去のシーン再び。
絵の破壊だけじゃなく、展覧会の絵に何か書き足してたのも深馬本人で、初めて?壁に描いた恐竜の絵も自分で完成させてる。

やっぱり、深馬の寝方が最初と逆だわ。
これは、真未としての自分側からの視点ってことだよね?きっと。

初めて真未と共作したヤギ?の絵の手形も自分で義指つけてやってんじゃん…!っていう驚きね。
自分自身がやってたことを、夢の中で滝川先生にやらせたわけね…。

これまで観てきたのは、深馬があんまり意識したくないこと、認めたくないことを自分以外の誰かに押し付けた世界って感じがする。
でも結局、向き合いたくない現実と向き合わざるを得なくなって潰れたのか…?

・全てを思い出したのか悟ったのか、真未の部屋に駆けつける深馬。
部屋の染みを消したスプレーが残ってることに気づいて、真未に連絡するも繋がらない。

退院してから会うこともなく連絡することもなかったのに、事実を察して思わず真未を追い求める深馬の姿が悲しくて切なくて…。

ただやっぱり、私は真未が実在しない人物だと思ったから、部屋のスプレー塗料が残ってることが不思議でしょうがないなあ。

真未がもう一人の深馬だとしたら、自分であの部屋借りてスプレーで染みを消したのか…?
んんん〜、分からないや(;´∀`)

・終盤も終盤でなんかまた、めちゃくちゃえっちなシーンだな!?
これはスプレー隠し騒動の時の真未と深馬のシーンと重ね合わせてる?
真未を失った喪失感からの…的な?

深馬の表情がめちゃくちゃ良い。妙に引き込まれるというかなんというか。
これまでの出来事が走馬灯のように過ぎている感じがあってグッとくる。目が離せない。正門くん凄いわ~。

・初めて深馬の方から杏奈に頼ってるのでは…?
弱った深馬がちょっと切ないけど、彼の中で何か変化が起きたようなのでそれは良いことだな。

・一番最後のシーン、真未の服装が変わってる。真美の側が白、つまり深馬に染まってる…?
深馬の奥底で渦巻いていた暗い感情が消化されたことを意味してるのかも。

舞っていたのは桜の花びらかな?
だとしたら、秋に咲いた桜は次の春にも咲けたってこと?これまでの葛藤からきちんと解き放たれたのかしらね。

・舞台って最後、あんなふうにお話して挨拶するものだったっけ…?全然記憶がない笑。
作品にもよるのかな??
 
 
…とまあ、観ながら走り書きしてたのと、それに対する考えはざっくりとこんな感じ~。

これでも綺麗にまとめたつもりだけど、だいぶめちゃくちゃだなあ笑。
ま、舞台の内容を何となく思い出すため、みたいな感じのやつだからいいか笑。

2回観たうえで、改めて考えたことについて。

まずはちょっと着目してた服装のこと。
深馬は序盤からしばらくは、全体的に白っぽい服装だったんだよね。

変化が起きたのは、深馬と真未が身体を重ねたあと、深馬の絵が破壊されてたシーンから。
それまでの白コーデとは打って変わって、真未のような黒強めの服装になってたんだよね。

その①の方でも書いた気がするけど、この変化が意味するのは、本当の自由でない状態を感じ葛藤しながらも絵を描こうとする深馬が、真未という自由の象徴的な存在と交わって完全に感化されてしまったことの現れかなぁと。

簡単に言えば、今の出口の見えない、光が見えない苦しい状態から手っ取り早く逃げ出せるほうに飲み込まれてしまった…?

深馬が白、真未が黒。2人は対称的な存在なんだよね。

あ、でも。2人が交わったことによる影響は、深馬だけのものじゃないよねたぶん。

メモってなかったけど、ここのシーンって真未は部屋着だったよね?そういえば。
この時の黒を身に纏っていない、どちらかというと白寄りな服装の真未は、深馬に感化されちゃってたの…?

…いや、でもこのシーンは深馬のいたずらによって、真未が唯一取り乱して弱っていたシーンでもあるわけで。

黒い服は自分を強く着飾るための戦闘服的な意味があったりするのか??
深馬も黒い服装になってから、杏奈への当たりがめっちゃ冷たくなってたしなぁ…。

まあ、どのみち対称する2人が交じり合ってお互いがお互いの存在、考え方に影響を与えてしまったという解釈で良さそうかな。

あとは「染、色」っていう舞台ですから、深馬の変化に関しては真未の色に染められたってことをわかりやすく表現するためでもあるのかなと思いました。

ラストシーンでは、真未の方がそれまでの真っ黒コーデから真っ白なワンピースになってたね。

一度は真未に飲まれた深馬だけど、最終的には深馬の白が真未の黒を染め上げて、気持ちに落としどころをつけたって感じなのかな?

で、この服装の件も含めて、真未の正体について考えてみる。

やっぱり初見で感じた通り、真未は深馬の中に眠っている闇というか暗めな感情を具現化した存在だとしか思えなかった。深馬がオモテで真未がウラって感じ。

上手くいかない作品づくりに思い悩んでたところ、腕に絵の具がついたことか何かが引き金になって、深馬の中に潜んでいた真未が出て来ちゃったんだと思った。

どっちも同じ人物だから、息も合うし惹かれあっちゃうし逆に反発もしちゃうわけですよ…。

深馬の葛藤の表れですよね。
なんで思うように絵が描けなくなったのか、これからどうすればいいのかなどなどの悩みを打破するために出てきたのかなあ、なんて思ったり。

深馬と真未という存在は、一人の人間の中にくすぶっているオモテとウラ、光と闇、もっと広げて言うなら善と悪?であって、両者がきちんとぶつかり合うことで悩みとか苦しみに突破口が見えるんだ、というメッセージなんだと受け取りました。

実際、深馬に突破口が見えたような気配が感じ取れるお話の畳み方だったのは救いだなって感じたし。

あと、深馬だけが見ていた世界での原田、北見、滝川先生のめちゃくちゃ人間味らしい妬み、嫉み、苦しみ、意地悪さ、狡猾さがあったことで、たとえ周りからどんな風に思われていても人間はだれしも深馬のように激しい葛藤とか矛盾する気持ちみたいどす黒いものを抱えて生きているんだなあと感じさせてくれた。

今回深馬がしていたような葛藤が必ずしも良い結果を生むとは限らないけど、それでも自分の気持ちを押し殺すことなく正直に向き合うことでしか、道は開けないという教訓なのだと思う。

ただ、うまく解釈できない点がいくつか残っちゃうのよねえ(^▽^;)

例えば真未。真未が深馬の一部であるとするならば、彼女は実在しない人物だったということになるわけで。

そうなると、さっきも書いたけど真未の部屋は誰が使ってるのか?なぜないはずのスプレー塗料が残っているのか?などの疑問が湧いて出てくるんですよね…。

他にも、真未の生い立ちの話もどこから来たの?とか。

もしかしたら、深馬自身が真未が語っていたような生い立ちを生きる可能性があったのかも…?なんて思ったりもしたんですけど、話が複雑になりすぎるので考えるのをやめました。

実は一歩間違えば深馬が両親に捨てられてたかもしれなくて、真未は深馬のifの人生を歩んでたことになってるのかなあ、とかね笑。

さすがにそこまでの深い意味はないのかな(^▽^;)

逆に、真未はちゃんと実在する人物だというパターンもあるけど。
そうなったらなったで今度は、なんで真未は深馬に固執してる?とかなんで深馬のことそんなに詳しいの?とかの疑問が出てきちゃうからなあ…。ああ、難しい((+_+))

うまく落とし込めない点がもう一つ。
深馬が見ていた世界は、いつどこからどこまでなのかってこと。

少なくとも、深馬が真未と接触している時期は深馬が熱中症でぶっ倒れてる最中だとは思うのよね。
だけど、その世界の始まりと終わりがいまいちはっきりしないなあ…。

服装変わったタイミングがヒントになるかと思ってたけど、ちょっと違う気がしたし。

舞台の冒頭から、ぶっ倒れてる時の深馬の幻想世界?夢?だったのか何なのか。
熱中症から回復した後も、夢と現を行ったり来たりしてたのか。

そもそも、杏奈が言ってた熱中症で1週間意識なかったって話が本当なのかも、もはや怪しく思えてくるけどね。
最初っから最後まで、深馬が見ている現実じゃない世界での出来事って可能性もあるし。

どこからが現実でどこからが現実じゃないのか、結論はきっと出ない気がする…。
どうとでも捉えられるってところが深みに繋がってて良いですね。

こんな風に清々しい結末じゃない部分も含めて、めちゃくちゃ人間臭さのある良い舞台だったのではないでしょうか?
見応え抜群で、頭使いまくってだいぶ疲れたけども笑。

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ひとまず「染、色」の感想はこれにて終了!まじで疲れたわ…笑。

原作読んでないことが吉と出てるのか凶と出てるのか分からないけど、とても楽しい充実した時間だったなあ。

解釈の仕方がこれでいいのが全く見当ついてないんだけど、もし作り手側の意図とか観劇した他の皆さんとズレた解釈してたら、ちょっとこっぱずかしいですね(^▽^;)

後日、書きそびれたこととか検討しなおして考えが変わった部分を追記とか修正とかするかもしれない…笑。

【2021/7/22追記】
FC限定の動画とグッズの感想をまとめた!
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【「染、色」限定動画とグッズの感想】

自分の考えを見失わないように他の人の感想とか考察に一切触れないようにしてたんだけど、書き終わったからいろんな人の感想をたくさん見るぞ!

皆さんがどう感じているのか、ちょっと楽しみ♪

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