【森田剛】『みんな我が子』感想

剛くん出演舞台『みんな我が子』の感想 森田剛

5/14昼公演の『みんな我が子』観劇。
去年10月のgrooveコンぶりの生剛くんでした。

剛くんの舞台は、記憶の限りだと『すべての四月のために』以来かもしれないな。

調べてみたらアレ、2017年だってよ!マジか!!😲
私としては舞台人森田剛さん、実は結構久々だったのねぇ…!

A席のチケットだから視界良好とはいかなかったけど、距離的にはわりかし近めだったので演者さん方の表情をしっかり肉眼で見られた。良かった。

上手側の座席だったのが若干痛手だったかなぁ(^_^;)
舞台上のセットが上手側の方にあったり(折れた木とかね)、会話が上手側の見切れ部分で繰り広げられたり…ってのがちょいちょいあったからね。
下手側の方がいろいろ見えてたような気がする。まーしょうがないけど。

内容に関してはほとんどまっさらな状態で挑んでしまったこともあってか、ちょっと難しかったかな~。
分からない部分もちらほらあったけど、戦争後とある家族の平穏が徐々に崩れていく様子はなかなか胸を打たれるものがありましたね。

まぁなにしろ演者さんたちが強者揃いでしたから。
おかげで重厚感ある素敵な作品になっていたのでしょう。

堤真一さんを舞台でお見掛けするのは初めて。
映像でたくさん拝見している分「うわぁ本物だ!!」なんてアホみたいな気持ちを抱きながら観劇しちゃった(^_^;)笑

堤さんの息子クリス役である剛くん。若かったね~!
髪も短髪だったし、声のトーンもちょっと高めで若さが出てた。息子感しっかりあった。

登場からしばらくは
「目の前にいる剛くんはもうV6でもなければジャニーズタレントでもないんだなぁ…」
「元気そうで良かった」
とか、なんだか複雑な気持ちを抱いちゃったんだけどね(^_^;)

この父子が、次男坊ラリーのことでお母さんに気を揉んでる様子が、思いやりのある家族にも見えるし痛々しくも見えるしで、ちょっと辛かったかも。
両親ともクリスのことをないがしろにしてるんじゃないのは救いでしたね。「なんでお前だけ生きてるんだ!!」みたいな展開だったら苦しすぎて泣くよ?

父ジョーの隣人たちへの気さくな感じ?ちょいとお人よしっぽい感じ?は、彼の人となりを知るのにはもってこい。堤さんが演じてるから茶目っ気のある素敵なダンディになってたね~。

母ケイトの、思い込みが激しめというかちょっとヒステリーに思えなくもない感じ。痛いな~とは思ったけど親の愛情の表れと思うとそう無下にもできないのよね…
ああいう感じで息子に執着するお母さんって割と現代にもいそうじゃない?どことなく生々しさを感じてしまいましたね。

演じられてるのが伊藤蘭さんだということを終演後に知りまして。
なんかお名前に聞き覚えがあるなぁと思ってたらはたと気づいた。
もしかしてキャンディーズ!?!?
この時、客層の広さに合点がいきました。

私と同じくらいの10~20代の女性から50~60代の男性まで、男女も年齢もビックリするぐらい幅広かったからさ。
西野七瀬ちゃんもいるし、主演堤さんだし、剛くんも…と思えば、なるほどそりゃ老若男女集まりますわな、と思いましたよ。
アーサー・ミラーというところも影響あるんですかね?

アン役の西野さんも素敵でした。
役どころが役どころなだけあって?めちゃめちゃ可愛かったのよ。花柄のワンピースがよくお似合いで。
本当にあの時代を生きていたようなオーラがあって、彼女のおかげでより一層作品に没入できたかもしれない。

ちょうど先週かな?たまたま占いのテレビ番組で「舞台稽古中だけど全然うまくいかない。向いてないかも?」と悩みを話してる西野さんを見かけまして。
タイミング的に稽古中の舞台ってたぶんこの作品だよなぁと思っていたんだけど、「不安に思う必要ないよ!!」と感じた良いお芝居でした。
本格的な舞台出演がこれが2回目だとは感じなかったですわ。もちろんご本人の努力あってのことでしょうけど。

各演者さんとの掛け合いが迫力あって見ごたえ抜群だったのよな~。
クリスときゃぴきゃぴしてるとこ、お母さまにはっきりきっぱり物申すとこ、兄ジョージを強くけん制するとこなどなど、どのシーンも印象的。
セリフが一番はっきり聞き取れたって部分も大きいかも。

クリスの”良い人間”感が良かったですね。
剛くんのちょっと若いというか幼い感じの演技すごく好き。
誰に対しても誠実であろうとするクリスは愛すべき、愛されるべき存在だけど、周囲からすれば良いようにも悪いようにも影響されてしまいそうで怖い存在でもあるというのがちょっと切ない。
クリスの愛や信念がうまく伝わらないのがね…

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人間の愚かさ、醜さ、やりきれなさが浮かび上がってくるこの作品、心がちょっとえぐられちゃった。

家族でいることにも努力が必要で、家族だからって同じ気持ちを持てるはずがなくて、家族だから信じて、家族であるからこそ失望して。

恋人や付き合いのある隣人もそう。家族同然に思っていたって、うまくいかないことは多いし、何ならずっとすれ違ったまま誤解したままの危うい関係性だったりしてね。

愛を伝えるって難しいんだなと改めて思ったよ。

物語後半からの不穏な空気にたまらなくヒリヒリした。
ケラー家が抱えるトラブルがラリーのことだけじゃないっていうね。
工場の話が、徐々に徐々に不信感を募らせてくるの怖かった~。
アンの兄ジョージが登場してからは、もう何を、誰を、どうやって信じればいいのか分からなくなったもんな。
どれが事実なのか、会話が増えれば増えるほど謎めいてくるんだもん。人間の複雑さが出てるよう。

ジョージのキャラ好きだったな~。
あんなに目の色変えてまくし立てていたのに、当の怒りの対象であるはずのケイトと子供の頃ぶりに会うと、そのころを思い出すのかケイトの変わらぬ態度がそうさせるのか、当初の気持ちや思惑から外れてどんどんおとなしくなっていくのが可愛いかった。
まんまとケイトのペースに乗せられてるという意味ではめちゃくちゃ怖いけども。

憎まれてる!とか怒っている!と思ってた人に想定外に優しくされると拍子抜けしちゃうの分かるな~。
一番気性が激しめだった分、その落差があったことで一番人間味を感じたし親近感も覚えたかもしれない。

ジョージの役者さん見覚えあるなと思ったら大東駿介さんでしたか。どうりで🤔

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あの”良き人間”であったクリスが荒々しい感情をあらわにしたのち、心がポキッと折れちゃった瞬間が辛かったな~。
はじめはちょっとだけ疑ってたのに、父の言葉や行動を信じて気持ちを切り替えてたのに、よりにもよってアンと一緒のときに信じてたものを砕かれちゃうのはね…誰だってつらいよ…
クリスだって相当いろいろ抱えて考えて葛藤してたんだろうに( ;∀;)

「お前のために」は良くないよな~。
呪いのような言葉だよ。どんな状況でも親からそれだけは聞きたくないんじゃないかな。
だいぶ毒々しさを感じたわ(^_^;)

まあ親でなくても、他者に対して一方的に「あなたのためにやった」ってあんまり思わない方がいいよね。
自分にとっても相手にとっても毒にしかならない。改めて思った。

ジョージ登場以降ぐらいからラストシーンまでの演者各々の爆発力には目を見張るものがありましたね。
あれは一見の価値ありって感じだった。

ケラー家のやりきれない最後もな…しんどかったね…
家族だろうとなんだろうと、考えてることってこんなに伝わらないのかと思うばかり。
全員の中に確かに「愛」はあったはずなのに。どうしてうまくいかないんだろうね。

ジョーのやったこともケイトも、絶対良くないんだけど、それだけで済む話じゃないというか。
もちろん時代背景とかは考慮する必要あるけどさ、そういう部分以外でもなんか、それだけじゃないというかなんというか…

愛情の示し方が招く誤解みたいな?
どれだけ愛があっても、相手にきちんと届く伝え方をしないと「こんなはずじゃなかった…」を引き起こしちゃうんだよね、たぶん。
あ~~人間って難しい😣
 
 
全然解釈しきれてない、受け止め損ねてる部分が多いような気がするけど、とりあえず現状思う事はこんな感じ。
面白い作品ではあるけど、やっぱり果てしなく難しいですわ。
この内容をもっと深く実感として理解できる日は来るんでしょうかね…

あと、作品名の「みんな我が子」の意味がいまいち理解できてないんだよな。
ジョーにとって「関わる人みんな我が子のように思ってる」ってことなのか、
人類的に「みんな我が子と思って接するのが理想だよね」とかなのか、
逆に「お前らみんな我が子なんかじゃない!!」とかなのか……
ちょっと解釈に苦しんでしまうな。
自力では答え出せそうもないし、時間ある時に調べてみようか。

まあとにかく、V6終了後初の剛くんの舞台をこの目に焼き付けることができて良かったです。
剛くんの舞台における感情表現の仕方が大好きだなと改めて感じた次第。
登場人物の中でも繊細さが目立つクリスが剛くんっていうところに、なんだかグッときてしまった。

私の気のせいじゃなければ、珍しく剛くんがセリフを噛んじゃった場面があったような…?
そこそこまくし立てるようなセリフのとこだったからもしかしたら聞き間違いかもしれないけど、私はあの瞬間「あらら🤭」と思ってしまいました。

まあ、そんなことはともかくとして。
これからも役者としての森田剛をたくさん見れたらいいな、と思わずにはいられない作品でした。
次は徹底的にダークな役を見たいかも…!笑

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